過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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◆ySV3bQLdI.
[ saga]
2012/02/13(月) 00:56:50.13 ID:LOsz4KcLo
「さやかちゃん……」
さやかから憎悪をすら感じさせる視線を向けられても、ほむらは眉ひとつ動かさなかった。
代わりに、まどかが心配そうに呟く。
それでも、さやかは止まらない。その程度で堰を切った呪詛は止まるはずがなかった。
「絶対忘れないからね、あんたがあたしにしたこと……あれも気紛れだったって言う気!?」
やはりほむらは鉄面皮を崩さず、見向きもしなかった。
それがさやかの神経を逆撫ですると気付いていてもなお。
昨日、あの場で繰り広げられた人間模様について、鋼牙は詳しい経緯を知らない。
ホラー討滅とも、魔女の秘密とも何ら関わりないからだ。
ただ、手を繋いで逃げていたまどかとほむら、負傷して一人暗闇に取り残されたさやか。
さやかはほむらを露骨に敵視し、まどかとは気まずくなっている。あの極限状況で何が起こったか、想像に難くない。
道中から険悪な空気を漂わせていたが、会話の流れで我慢していたものが噴出したのだろう。
放っておけば更にヒートアップし、激昂していたであろうさやかを止めたのは、鋼牙でもまどかでもない。
「美樹さん。気持ちはわかるけど堪えてもらえるかしら。今は私が彼女と話してるの。邪魔しないで」
マミだった。
数秒前のさやかと同じ抑えた調子ではあるが、決定的に違うのは温度。
さやかが火なら、こちらは氷。
酷く冷たい声は、さやかの熱を一瞬にして奪い去り、背筋を縮み上がらせ、顔面まで凍りつかせた。
鋼牙は直感する。やはり、今の彼女はどこか普通ではないと。
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