過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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◆ySV3bQLdI.
[ saga]
2012/02/20(月) 01:23:25.51 ID:rYHTtXRBo
激しかったマミの呼吸はやがて落ち付き、同時に視線が下がっていく。
興奮して喚いたのが恥ずかしいのか、袖で涙を拭うと深呼吸。
火が消えたように小さくなりながら、ぽつりぽつりと語り出した。
「……だから、その目で現実を知り、覚悟を持っておくのが大切なんです。
できるだけ、多くの判断材料を遺したい。
知ってることを全部話した私にできるのはもう、それくらいしかないから……」
最後に一度だけ、上目遣いで鋼牙を見て。
「魔法少女じゃないあなたにはわからないし、わかってもらおうとも思いません」
完全に視線を外すと、また俯いて洟を啜り始めた。
わからなかった。
今の今まで、どこかで軽く見ていたのかもしれない。彼女の心の内に入り乱れる強さと弱さを。
常に守る側に立つ鋼牙だからこそ気付けなかった。
狭間に立つ、どちらにも転び得る曖昧な少女の苦悩に。
「取り乱してごめんなさい、恥ずかしいわね……。
ちょっと居心地が悪いし、あなたたちもそうでしょう? これでお開きにしましょうか」
目を赤くしたマミは弱々しく自嘲気味に笑うと、一同を見回して言った。
全員のティーカップが空になっているのを確認し、立ち上がってリビングの扉を開く。
「勝手で悪いけど、お引き取り願えるかしら。私、これから魔女退治に行こうと思うの」
「あの、私たちは……」
「あなたたちの安全は最優先に全力で守るつもりだけど、絶対じゃない。
もしもや万が一がないとは言い切れないわ。それでもいいなら付いてきてちょうだい」
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