過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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940: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/02/20(月) 02:19:30.49 ID:rYHTtXRBo

 あんなやり取りを見せられて、行くとも行かないとも即答できる訳がない。
 案の定、二人の少女は大いに迷い、しかしマミは彼女らを急かすでもなく、ドアノブに手をかけたまま立っている。
 独り寂しく、ぽつねんと佇む背中は儚く、頼りない。誰かが追わなければ、闇に消えて二度と戻ってこないだろう。
そう思わせるほどに。

「私……行きます」

 最初に立ちあがったのはまどか。
 はっきりと通った声にマミが振り向く。
四人から様々な感情を込めた視線を受けても、その目は毅然とマミだけを捉えていた。
気丈に唇を引き結んではいるものの、全身の強張りは隠せていない。
 怖くないはずがない。けれども凛と振舞うのは、きっと潤んだ瞳で見返す年上の少女の為なのだろう。 

 この鹿目まどかという少女が、ようやくわかり始めてきた気がする。
 そして、彼女を見ていると鋼牙も明確に自覚できた。
 いつだったか、番犬所の三神官の前で啖呵を切ったように、己の志す魔戒騎士とは何たるかを。
 そうだ、魔戒騎士とはホラーを狩るだけの存在ではない。

 相手がホラーでなかろうと、迷うことなど何もないのだ。

 鋼牙は左手に魔戒剣を携え、

「俺も行こう」

 立ち上がった。
 すると、向かいに立つまどかの表情がパッと和らぐ。
呆気に取られた目で見てくるマミに、鋼牙は仏頂面で答える。

「邪魔はしない。俺は後ろを守る、お前は戦いに専念しろ」

 言われるがまま、マミは首を縦に振った。



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