808:名無しNIPPER[saga]
2015/08/16(日) 23:00:31.88 ID:hwBgjRWz0
――魔剣内部
「何か……何か……!」
「頼む、教えてくれ!」
「何を焦っている」
「焦りもする。このままでは――」
「――勇者が死ぬ」
「それだけではない。全てが青竜の餌食となるだろう」
「だから何を焦る必要がある。助けるつもりはないのだろう?」
「ない……いや、できないと言うべきか」
「我が勇者に取り憑いたところで、それは昔の我ではない」
「そうだ。憑依はお前の意思で勇者を動かせるが、実力は勇者以上のものは出せない」
「それでは、あの青竜には勝てぬだろう」
「何を勘違いしている」
「勘違いだと?」
「勇者を助ける方法は憑依ではない」
「言っただろう。剣の所持者への愛着が条件だと」
「……憑依はそれ以前からできていたから、違うのか」
「漸く気が付いたか」
「愛着、即ち所持者への思念が互いの内在魔力を繋ぎ、増幅させる」
「それが、今のお前と勇者だからできる新たな手段だ、英雄王よ」
「今一度聞く、英雄王よ。剣の所持者を、勇者の助けとなりたいか」
「……無論だ」
「ならば教えよう。ただ所持者の思念に寄り添い、ある言葉を発するだけでいい」
「それが鍵……短縮詠唱となる」
「その言葉は――」
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