817:名無しNIPPER[saga]
2015/08/16(日) 23:05:23.54 ID:hwBgjRWz0
雀竜「蠅竜にはもう読んでもらってる」
蠅竜「……」
雀竜「でもこの人数に読んでもらうのは時間がかかるし、私が掻い摘んで話すわ」
勇者「話して大丈夫なのか?」
雀竜「これは今回関わった人間には知る権利があると思うから」
雀竜「互いの棲み分けができず、巻き込んだのはこっちだしね」
伍長「教えていただけるなら、こちらとしても助かりますが」
雀竜「そして、勇者は特に知るべきと思う」
勇者「俺?」
雀竜「色々言うよりも、順を追って話した方が良さそうね」
雀竜「竜族は種族の方針上繁殖数を減らしているとは言っても、今を生きる竜には自由に生きる権利があるの」
雀竜「だからこうして人間に変身して街に住むこともある」
雀竜「私のようにただの好みだったり、青竜のように別種を学ぶためだったり」
雀竜「そこまでは知ってるのよね」
騎士「ああ。ここにいる皆、黒竜から聞いている」
雀竜「青竜もこっちに来て暫くは普通に暮らしていたみたいなのよ」
雀竜「『あの酒場の飯はかなりいける』『隣人はいい人なんだけど、夜は凄くうるさくて困る』って感じのがずっと書いてあった」
勇者「あ、ああ、それは平穏な生活だったらしいな……」
雀竜「でも、ある日を境に青竜の日誌に変化があるの」
雀竜「丁度、青竜が街で犯罪を起こしているのが発覚したのに近い日よ」
雀竜「それらしい最初の日の記述は、少しだけ。筆跡もかなり震えていた」
雀竜「『あれは何だ。死ぬかと思った』」
黒竜「青竜が、死ぬ思いをした?」
騎士「ずっと、人間より強いことを、竜が上に立つことを主張していた」
魔法師「何かに怯えてのことだったのかも……。その何かが――」
魔法師「――その日に会った人間っていうことなのかも」
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