884:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 00:17:10.99 ID:pCA3yU820
盗賊「――成る程な。これは少しずつしか通れねぇわけだ」
盗賊「室内ってなると、通路が狭いのが当たり前か」
勇者「それに、ほら、そこだ」
勇者「これ程の規模になると受付が臨時設置されて、誰が通るか出身、居住地、名前を記録しておくんだ」
盗賊「偽名かもしれねぇだろ」
勇者「それはそれで別に良いんだ」
男「良いのか?」
勇者「この場でとある名前を名乗ったどこの人間がいたか」
勇者「それが正確じゃなくても、それだけで重要な役割を果たしている」
男「……どういうことだ?」
剣士「どのみち何が正しいか厳密に調べるには労力がかかりすぎるからな」
勇者「そう。だから、通った人を知っている人にとってわかる情報が保管されていれば良いんだ」
男「……なるほど?」
盗賊「これは腑に落ちてねぇな」
魔法師「そういうの、結構細かそうだしね……」
??「おお、あんた達もきておったのか」
男「ん? ああっ、薬師さんじゃないですか!」
薬師「久しいのぅ。黒の国での件以来か」
薬師「そっちは侯爵家の坊やじゃないかの」
勇者「こんにちは。以前は試作の薬を戴いてありがとうございました」
勇者「あの時は仲間が随分調子が良くなって」
薬師「ほほ、それは良かった」
薬師「実はな、わしがここにいるのはその転移酔い止め薬が理由での」
盗賊「この瓶か。前とは入れ物が違うな」
薬師「お前さんも酔い止めを飲んだのか」
盗賊「すげぇ効き目だったぜ」
薬師「ここでは転移酔いをする者に酔い止めを配布しているでのぅ」
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