過去ログ - 神裂「鋼盾―――鋼の盾ですか、よい真名です」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)
2011/04/30(土) 17:39:37.87 ID:6y6jF+0c0

 しかし、高校に入ってからは、彼を取り巻く環境が一変する。
 落ち零れてしまった鋼盾が入れたのは、それこそレベルの低い高校でしかなかったが、それ故に教師も学生も無能力

者に理解があった。変わった学校に事欠かない学園都市において、外の高校の見本例として作られたのではないかと疑

ってしまうようなスタンダードな学校。自由な校風といえば聞こえはいいが、放任主義に近いいい加減な環境。生徒を

良い高校に入れようと必死だった中学校とは、何から何まで違っていた。空気の味すら違って感じる。

 穿った見方をすれば、学園都市からは見放されたようなものなのかもしれない。
 資質を持つ者と持たざる者を分別し、持たない者は持たないままに過ごせばよいと、そういわれた気がした。
 だけど、それすらも救いなのかもしれないと鋼盾は思う。

 飛べない鳥もいる。
 たとえ空を自由に飛べなくとも、恨みがましく空を睨んで己の羽を痛めつけて一生を終える必要などないのだと、多

分に強がりと自己欺瞞を含みつつも、なんとなく、そう思えるようになった。

 なにより、担任に恵まれた。
 月詠小萌という、身長135cmでどうみても小学生にしか見えないという冗談みたいな外見
(入学式の日に新入生の男子に迷子と勘違いされ、高い高いされてしまったのを見たのがファーストコンタクトだった。信じられない)
のトンデモ翌幼女先生で、いったい何の冗談なのかと新入生一同開いた口が塞がらなかったのだが、その実たいへんに生徒思いの優しい先生だ。
鋼盾が無能力者である自分を卑下するようなことを言ってしまい、えぐえぐと泣きながら延々と説教を始

められてしまい大変弱ってしまったこともあった。クラス中から突き刺さる無言の圧力はちょっと忘れられない。


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