過去ログ - 神裂「鋼盾―――鋼の盾ですか、よい真名です」
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/30(土) 17:30:11.27 ID:6y6jF+0c0

 無能力者の烙印を押された学生たちの対応は様々だ。

 レベルアップを目指し懸命に努力を重ねる者。
 能力開発に見切りをつけ、勉学、部活、遊びに恋にと、他に価値を求める者。
 劣等感から能力者を否定し、路地裏のスキルアウトへ堕ちてゆく者。
 諦念を胸に、学園都市を去る者。
 ダラダラと惰性で日々を過ごす者。

 いずれの道も、葛藤や劣等感あるいは自己嫌悪が付きまとう選択となるだろう。
 才能の湧出があるかもしれない、素晴らしい出会いがあるかもしれない、生きがいが見つかるかも知れない。
 もちろん、ないかも知れない。

 そしてそれはレベル0に限ったことではない。
 レベル0から5まで、この街の全ての子ども達に当てはまるものだ
 
 ただ、あまりにも厳然と示される<強度>という指標。
 012345、無低異強大超。単純にして明確な序列という名の差別。
 薬を血液に打ち込んで、脳に電気を打ち込んで、それでも何も出来ない無様な己。

 本当に、わかりやすい。
 夢の、否定。

 鋼盾はそれからの中学校生活を、まるで抜け殻のように過ごした。
 もともと人見知りがつよく、容姿も冴えない彼を級友たちは居ないものとして扱った。
 ドロップアウトなぞ珍しい話ではない。残酷なまでに序列に囚われたこの街では。

 諦めと未練、劣等感、不摂生に鈍った身体と自己不信に凝り固まった「自分だけの現実」
 彼が中学校の三年間で得たもののは、これですべてだった。
 

―――――――


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