過去ログ - 神裂「鋼盾―――鋼の盾ですか、よい真名です」
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830: ◆FzAyW.Rdbg[saga]
2011/07/31(日) 19:41:21.75 ID:3eGXN/jho



 それから暫くは、事務的な手続きが行われた。

 鋼盾がスキルアウトたちに毟りとられた10万円は、現在警備員が預かっているとのことらしい。

 手続きを行えば、直ぐに戻ってまいりますわよ、と白井は微笑む。


 高い授業料だったと諦めていた10万円。

 正直戻ってくるとは思っておらず、また自分が背負うべき当然のペナルティだと感じていたソレ。


 返還を拒んだ鋼盾に、白井は「きちんとお返ししないと私たちの職務が完遂できませんの」と優しく書類を押し付けてくれた。

 警備員の詰め所に持ってゆけば、即時返金して貰えるとのことだ。

 ……正直なところ、ありがたいと思ってしまう自分が少しばかり情けなかった。


 必要な手続きがおわり一息ついたところで、姿勢を正した白井が真剣な面持ちで話しかけてきた。


「ところで、ちょっと協力して頂きたい事がございますの。
 事情聴取というヤツですわね、正式なものではないので固くならなくても結構ですの」


 ご協力のほどお願いできますの? と尋ねる白井。

 鋼盾としては恩返しと言えなくもないし、まったくもって否はない。

 といっても、たいしてチカラになれるとも思えないのだけど。


「貴方がどのようなルートで幻想御手に辿り着いたのか、聞かせていただきたいのですの。
 幻想御手を知った経緯から、順を追って説明していただけますの?」

「……わかりました。ええと、噂を聞いたのが、確か一週間前くらいで……」


 鋼盾は話し始める。

 幻想御手にまつわる一連の彼の行状を。


 それは、この一週間の鋼盾掬彦の悪あがきのような作業の総括であった。





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