過去ログ - 箒「私が一夏と結ばれるためには――――」
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[saga]
2011/06/05(日) 04:08:23.53 ID:RJ3pmX9C0
何度も何度も切りかかり、弾かれ、距離を取る。
弄ばれている。
そう言っては語弊があるだろう。
ただ千冬は一夏を指導しているだけだ。例え一夏が全力だとしても、千冬にとっては児戯に等しい。
それが一夏の中の何かを焦がす。
もっと速く。
口の中で吐き捨て、地を蹴る。
千冬は先ほどから足を動かすことなく、一切の移動を行っていない。表情も涼しいものだ。《第二形態・雪羅》は左手のガトリングガンを乱射。エネルギー弾の嵐が襲いかかっていく。
だが千冬は曲芸のように体の姿勢を崩し、弾と弾のわずかな隙間に滑り込んだ。
足を地から離していないというのは、何かの冗談か。未だに表情に動きはない。
それが一夏の中の何かを軋ませる。
また弾かれた。地に刺さる前に雪片を空中で掴み取る。
《雪羅》のシールドエネルギー残量は半分を切っていた。千冬の《打鉄》のシールドエネルギーは、微塵も減っていない。
それが一夏の中の何かを決壊させた。
「――――うおおおぉあああああああああああああああああああああああああああああっ!!」
それは『男』としてのプライド。相手に汗をかかせることすらできない。相手の余裕を崩せない。そのことが、一夏のプライドを粉々にする。
一矢。せめて一矢報いる。
プライドが雄叫びを上げる。太刀筋がさらに鋭く、素早くなる。それでも《ブリュンヒルデ》には及ばない。
一夏の斬撃すべてを完璧に受けきり、千冬はここに来てようやく動いた。
《打鉄》がブレた。
かと思えば、目前にいつの間にか距離を縮められている。
――瞬間加速(イグニッション・ブースト)。
相手の虚を突くだけでそれは必殺の一撃への布石になる。
呼吸のリズム、攻撃の予備動作。
その他あらゆる観点から絞り出された一夏の『隙』を突いて、千冬は懐に潜り込んだ。
――シールドエネルギー残量、367。
真上に刀を打ち上げられ、一夏のアゴへきれいに刀身が吸い込まれた。
シールドエネルギーが大幅に減少し、つま先が数十センチ宙に浮く。
(まだだ、チャンスはある……! 一撃でいい、一撃でいいから、なんとしても当ててやる……ッ!)
それでも、一夏の中に燃え盛る闘志は消えない。
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