過去ログ - 箒「私が一夏と結ばれるためには――――」
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167:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/06/30(木) 00:12:20.88 ID:8hCIn4yR0
「ああ。そうだよな。なんで気づかなかったんだろうなー、俺」
『?』

 有り体に言えば、この時箒は油断していた。

 あの唐変木・オブ・唐変木が。
 あの朴念仁の二乗みたいな男が。
 あの異性に対する理解度が小指の爪ほどもない奴が。

    ――自分の好意に気づくわけがない。

 この時、彼女の不幸は、一夏が偶然(?)好意を示す彼女の発言を聞いてしまっていたこと。

 それに伴って箒の自分への感情に薄々気づいていたことだ。





 以上のことから何が起こったのかと言えば。



「箒……お前さ、俺のこと好きだろ?」



 こんな、端から見れば自意識過剰全開なセリフを一夏がのたまったのだ。

『…………。……………………、…………。…………!!!???』

 その言葉は箒から言語機能を根こそぎ奪い取った。
 首まで赤くして箒が口をパクパクとさせるのにもお構いなしに、一夏は続ける。

「ありがとう。俺の戦う理由になってくれて」

 一方的に会話を打ち切り、一夏は放置気味だった対戦相手に向き直った。

「つーわけだ、悪いな」
「……何かしら、女の敵さん」
「負けなきゃいけない理由はないけど……勝たなきゃいけない理由は。勝ちたい理由は、できた。
 こっからは、本気で往く!!」

 そして足元の雪片弐型を蹴り上げる。

 照明に煌めいた刀身が円を描くようにして、右手に収まった。



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