11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)
2011/05/02(月) 18:07:26.57 ID:vZ0FaaUq0
なにも起きる事なく、自然学校5日目は夕食の時間へと向かっていった。
「結局、あれは夢だったのかな?」
「夢よ夢、いくらなんでも非現実すぎるわ」
「でも、12人全員が同じ夢を見るかなー?」
思い出すのは、数時間前の光景である。
ほむらが次に見た光景は、炎天下の中の岩場だった。猛烈な暑さが、冷えていたハズの体を再び熱くさせていく。慌てて起きあがると、他の11人も岩場の上で倒れている。
「熱いッ!」
不意に横から聞こえてくる大声と共に、ベルが勢いよく起きあがった。
「ん? あ、ほむらおっはよ〜!」
気の抜けた声とほわわんとした笑顔を向けるが、顔からは汗をダラダラと流し始め、やがてウンザリとした表情へと変わっていく。ほむらの周りでは他のメンバーも倒れており、暑さによってか疲れたように次々と起きあがっていく。
この場にいたままだと熱中症になりかねなかったため、全員は岩場から離れ陽の当らない木陰へと移動したのだがそこで帰りが遅いからと心配した引率の先生が迎えに来てくれて、そのまま利用している民宿へと戻ってきたのだ。
「全員が同じ夢を見るのと、いきなり変な場所に連れられて契約なんてさせられるのは、どっちがありえると思っているのよ」
「それは同じ夢を見る方がありえそうですけど、それでもさっきのが夢だとは到底思えないんですよねー」
「いーえ、夢よ夢、非現実的すぎる」
「ほむらちゃん、ほむらちゃん!」
ベルと玲奈の口論の様子を眺めていたほむらの肩を誰かが叩いてくる。振り向くと、まどかが目を輝かせながら目の前にノートを広げていた。
「あれ……まどか、これって……」
それは、まどかがいつも持っていた“魔法少女ノート”だった。
「これ、まどかの新しいデザイン?」
ほむらの後ろから身を乗り出してくるのは、美樹さやかだ。
「うん、魔法少女って変身するものだと思うから、もし服を好き選べるならこんなのがほむらちゃんに似合うかなーって」
白と淡い灰を基調とした、可愛らしさより格好良さを押し出したデザインである。
「あーほむらだけズールーい! あたしのも描いてよ!」
「うん、さやかちゃんもあるよ……ほら!」
さやかの服は、背中の大きなマントが特徴的で快活さと騎士っぽさを併せ持ったデザインだった。
「さっすがあたしの嫁! あたしのことよくわかってるー!」
「ちょ、ちょっと……くすぐらないで……あははは!!」
さやかが抱きついてくすぐるのを、まどかは笑いながら押しのけようとするが、そんなに力を入れていないからかさやかを引きはがす事はできていない。もう恒例のスキンシップとなっているためか、抵抗感が出ないのだろう。
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