12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)
2011/05/02(月) 18:09:16.11 ID:vZ0FaaUq0
「…………」
「少し、妬いちゃうんじゃありませんか?」
「え?」
そんな二人の様子を見ていたほむらに向けて、後ろにいた仁美が声をかけてくる。
「さやかさんがああやって積極的な行動に出られるのが、少し羨ましいのではないかと思いまして」
「…………」
『まどかーっ!』
『えへへ、やめてよほむらちゃん!』
抱きつく自分と嬉しそうに嫌がるまどかを想像して、思わず口元で笑みが出来てしまう。
「やっぱり、羨ましいみたいですわね。顔に出ていますわよ?」
「か、顔に出てた……?」
「ええ、それはそれはとっても」
仁美のいじわるそうな笑顔と言葉で、ほむらは顔を紅潮させてうつむいてしまう。仁美はというとそれ以上の追及をすることなく、まどかとさやかの様子をじっと眺めていた。
「さやかさんの積極的……私には本当に羨ましいですわ」
「え?」
ふと、仁美が聞こえるか聞こえないかの小ささでボソリと呟いた。聞かれたのに気づいたのか、仁美はほむらに対して笑って誤魔化す。
「何でもありませんよ」
夕食を終えると、全員は夜の散歩と言って外に出ていた。夏は夜でも蒸し暑い日が多いが、海が近いここでは、夜は心地よい涼しさとなっている。
「結局、夜になったけど何か変わった様子はないね」
紗瑠が残念そうに言う。
「やっぱり、あれは夢だったのよ」
玲奈は当然だと言いながら、散歩の先頭を歩いていく。
「でもでも、夢にしては明確すぎませんか?」
「そういう夢もあるんじゃないの。もう……この話はおしまい!」
無理矢理話を終わらせると、玲奈は前へと進んでいく。
ベルやさやか、紗瑠などは腑に落ちない表情を浮かべているが、玲奈の意固地なまでの否定に、何か言い出す機会を失っていた。おそらく玲奈も含めて12人のほとんどが、あれがただの夢と思っていないはずだ。
ほむらも同じだった。あの光景が夢だったとは、とても信じられない。
「マミさんは、どう思いますか?」
横に並んでいたほむらの問いに、マミは考えているように視線を宙に向けるが、すぐにこちらへと視線を戻した。
「もしかしたらだけど……」
そう念を押した上で、マミは言葉を続ける。
「さっきのも含めて、これが現実だとしたら……」
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