過去ログ - 人を救った偽善者と人を殺した正義の味方
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◆TyXhq8/md2
[sage saga]
2011/05/12(木) 19:18:29.88 ID:I7BD27GR0
「上やん! お前の出番だ!!」
巨人が消え去りそうになってきた途端である。
金髪の少年が突然叫んだ。その声に反応して、上やんと呼ばれたツンツン頭の方の少年が前に出る。
「なっ!」
思わず声が出る。巨人のお蔭で威力は下がっているものの、信用は出来ない。
続けて、危ない、と叫ぼうとしたが、爆音が響いた。
「間に合わなかった…!」
煙が晴れていく。そこには少年達が倒れている…筈だった。
「ふぅ…危ねぇ……」
何故ならそこには、右手を前に突き出した少年が無傷で立っていたのだから。
「……何が起きたのかは分からないけど、とりあえずあいつがあっちのジョーカーみたいね」
遠坂が呟く。
「ふむ…。膨大な魔力で相殺した、という訳では無さそうだな」
いきなりアーチャーが後ろに現れる。
こいつはこいつでいつの間にか戦線から離脱したようだ。
「ええ。あいつからは魔力の欠片も感じない。…けど、魔術師じゃないとは言え魔力が全くないってのも変な話ね」
「フ、ならばひっ捕らえて話を聞き出すまで。凛、一つ賭けに出るとしよう」
ピクリ、と遠坂が反応する。難しい顔のあいつに対し、弓兵は余裕の表情を浮かべている。
「……聞かせなさい」
賭けってのは心配だが、あの二人に任せて損は無いだろう。
見ると、なんと炎の巨人が復活していた。
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