40:1[saga]
2011/05/07(土) 14:04:13.47 ID:vfSFW0/SO
背後で崩れた陶器質の音に少女が振り向くと、そこには灰色でそれぞれ形の異なる石同士を歪に組み合わせたような楕円形の物質が転がっていた。
オモゴンの卵だ。
それを確認するや、少女の顔に確かな焦りと後悔が浮かびあがる。
衝動のままに楕円を拾うと、一時的な置き場としてデスクを選択した自己に悪態を吐きながら、まじまじと観察を始めた。
ただの模様を傷と錯覚しては間違いに気付く一喜一憂の瞬劇を四、五回繰り返した後、その卵の案外な丈夫さと運の良さを認識すると、腕に荷物を抱えたままどさりと腰掛けに身体を託した。
そうなってくると思考も段々と通常に戻ってくる。
靄の晴れた状態で改めて事態を見つめると、納得の行かない現象が浮かび上がって来た。
前提、どうして卵は落ちたのか。
少女は確かにデスクに置いていたが、それは明らかに落下しそうな端の方ではない。中程といったところだろう。
窓は開けておらず、当然ながら地震は起きていない。そねような状況で一体何が卵を突いたのか。
少女はぐるりぐるりと考えを巡らせ、よもや透明人間ではあるまいか、とのやや振り切った投げ遣りな結論に手をかけた時であった。
少女の腕で眠る命が猛々しく胎動したのだ。
直ぐさまこの現象が呼ぶ結果と、併せて先の謎の解に気付いた少女は、かけたばかりのソファーから床に移り、代わりに自分の居た位置をオモゴンの席にした。
コツン、コツンと内側から響く振動は高さ70cmの位置エネルギーにも耐えた堅牢な殻に徐々にヒビを入れ始め、コンクリートを打ちっぱなしにしたみたいな部屋に出口を造り出していく。
手が見え、顔が見え、身体が見え
一所懸命に這い出ようとする幼くも激越なその熱意を、少女は傍らで目を無邪気に光らせながら見守っていた。
そして、こちらの世界に新たな可愛らしい住人の参加する時が訪れる。
彼が最初に受けたのは、親となる存在であり、将来の上司であり、仲間となるたった一人の少女による盛大な歓迎であった。
拍手、抱擁、愛撫
惜しむことなく与えられる優しい温もりに、彼は声を甘くさせて鳴らした。
だが、此処には満たされぬものが有り、彼は次にそれを自分を抱く温かい少女に求めた。
怪獣が調子の違う鳴き声を出す。
すると、少女にとある異変が襲いかかった。
予兆無し、段階無しでの下腹部への強烈な圧迫感。
初めから在ったことを疑い、何処からともなく転送されたとした方が納得のつく重さ。
渦を巻いて荒れる尿意に耐える為に足は自然に内股になっていき、顔はほんのり赤みを帯びる。
少女の背筋につうっと一筋の冷たい汗が伝った。
トイレまでの距離を計算し、そこに辿り着くまでの歩数、振動を少なく機動を早くする足運び、自己のコンディションを客観的、論理的、数学的に分析した結果でシュミレーションを行う。
弾き出されたのは、成功の二文字。少女は股に手を当てながら、ゆっくりと一歩を踏み出した。
その時、怪獣が再び声を上げた。
「あっ……!」
ついに少女の足が、思考が止まる。
自身では制御出来ない程に膨らんだ放出の欲求が下半身に集中し、最後に残った我慢の薄膜を容赦無く突く。
脚がガクガクと震え、そして……
「だめぇぇぇっ!!」
決壊。
少女の秘部を覆う純白の衣が内から薄黄色に染め上げら、溢れた露が幼さの残る柔らかい太ももを伝わって床に垂れる。
黄金の煌めきを放つ蜜の池を作ると、少女はへたりと力無く倒れた。
屈辱と羞恥により、身体は小刻みに震え、口からは嗚咽が洩れ、瞳からは涙が零れ落ち、その顔は朱を塗られたようになっている。
怪獣が自分の小水をぴちゃぴちゃと美味しそうに舐めとるのを咎める意識すら生まれず、ただただ耐えるだけの時間が過ぎていった。
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