16:87
2011/05/04(水) 15:17:29.22 ID:8SUUmgK10
目を覚ますとそこは白い部屋だった。
真っ白い天井に真っ白い壁。
目線を右に移すと棚が。左に移すとカーテンが閉まりきった窓が。
カーテンからは明かりが差していることから今は昼なのだろうか。
ここはどこだろうか。
それにあの夢はなんだったんだろう?
再び夢の記憶を思い出そうしたら、頭痛が走った。
「……ここはどこだ」
とりあえず、俺はカーテンを開けることにした。
サッとカーテンを開けると久しぶりに光を浴びる。
眩しくてしばらく目を瞑っていたが、なれる頃にゆっくりと目を開く。
そこには青い空が広がっていた。
下を覗くと人々が病院を行き来している。
しばらく俺は空を眺めていると後ろからガラッとドアの開く音で振り返った。
「目覚めたようだね?」
「……誰だ」
そこにたっていたのはカエルのような顔をした医者だった。
「ところで君。自分のことは憶えているかい?」
「俺の……こと……?」
……あれ。
自分の名前はなんだったっけ。
いや、ちょっと待て。もう少しで出てきそうなんだか。
……思い出せない。
俺って誰だ……?
「やはり記憶を失っているようだね?」
「嘘……だろ……」
記憶喪失? 俺が?
呆然と立ち尽くす俺にカエル顔の医者はゆっくり、落ち着かせるように話しかける。
「無理に思い出すことはない。君のはいつかは治るかもしれないからね?」
「いつかはって……いつだよ!」
「……いつかは、だよ。焦らなくていいんだよ?」
「……ッ。俺は、誰なんだよ?」
「君は――――」
80Res/71.66 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。