39:87[saga]
2011/05/22(日) 07:14:57.49 ID:rZ9489cc0
ゆっくりと、目を覚ます。
……俺はどうなったんだ?
とても恐ろしい夢を見ていた、そんな感じだ。
ぼやけていた視界には一面の真っ白な天井があったが、その手前には少女の顔があった。
「……あ?」
「あ」
ここはいつもの病院なんだろう。
だが、この子は一体……?
「ご、ごめんなさいっ!!!」
その頭を花一杯に飾っている女の子は顔を真っ赤にして、顔を引っ込ませた。
俺はゆっくりと身体を起こし、俯いている女の子に話しかける。
「君は?」
「わ、私ですか?」
覚えがあるような、ないような顔だ。
……記憶を失くす前で友人だったんだろうか?
記憶がなかったとしても、こんな目立つ頭(というか、髪飾り)をしていたら思い出しそうな気もするが。
まったくもって思い出せない。
「わ、私は初春。……初春飾利です」
「ういはる……かざり……?」
「はい。初日の初に、季節の春。飾るの飾で、利用の利です!」
「そ、そうか」
名前を聞かれてもさっぱりだった。
「ちなみに、私と貴方が会ったのは…………昨日です。昨日、貴方が倒れているのを発見して」
「あ! あの時の子か」
確か、気を失う前に。
こんな感じの女の子に話しかけられていた。
無事病院にいるってことは助かったんだな、俺は。
「ありがとな。俺はその、垣根帝督っていうんだ。よろしくな」
「……! よろしく、お願いします……」
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