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2011/05/03(火) 10:14:06.02 ID:X4a4zsMV0
「テメェが俺の動きに気づいて最終信号を『逃がした』って訳じゃねえのは予想できる。
俺は外道のクソ野郎だが、それでも極力一般人を巻き込むつもりはねえんだ。
だから協力さえしてくれりゃ、暴力を振るおうとは思わない」
周囲の人物は誰も助けてはくれない。
この風紀委員の腕章のせいだろう。
でも誰でもいい。助けて欲しかった。
だってこんなに痛い。
今まで風紀委員の仕事で、怪我をすることはあったけれど。
今までで一番痛い……!
垣根はさらに私の肩を強く踏みつけてくる。
「……ただな、俺は自分の敵には容赦をしない。何も知らずに最終信号に付き合わされたのならともかく、
テメェの意志で最終信号を庇うって言うなら話は別だ。頼むぜーお嬢さん。
この俺にお前を殺させるんじゃねぇ」
グギギガリガリ!!
さらに鈍い音とともに、強烈な痛みが体中を支配するように広がる。
その痛みに、理不尽さに。
いつの間にか涙がぽろぽろと溢れていた。
怖い。 痛い。 助けて。
涙を流しながらも周りを見ると、みんな怯えて助けようとするものは一人もいない。
ゆっくりと目線を上に上げると、表情変えずに垣根が私の方を足で踏みつけてくる。
恐怖と激痛に支配されているなかで、垣根は一つの逃げ道を提示する。
「最終信号はどこだ」
激痛に点滅する意識の中で響いた声。
「それだけを教えれば良い。それでテメェを解放してやる」
もし私が打ち止めの居場所を教えたら、この痛みから逃れられる。
だけど。でも。
私の腕にかかっているのは風紀委員の腕章。
そう。私は風紀委員。
なにを考えていたんだろう。
助けてもらうんじゃない。助ける人なんだ――!
私は決意する。
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