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2011/05/03(火) 10:15:25.22 ID:X4a4zsMV0
「――――――――」
激痛に冒されながらも、唇をゆっくりと動かす。
涙をぽろぽろと流しながらも、その言葉を綴る。
自分の無様さに歯噛みしながら、私は告げた。
「……、なに……?」
垣根帝督の眉が、理解できないようにひそめられる。
私はもう一度、震える唇を動かした。
「聞こえ、なかったんですか……」
ありったけの力を込めて。
「あの子は、あなたが絶対に見つけられない場所にいる、って言ったんですよ。
嘘を言った覚えは……ありません」
馬鹿にするように、舌までだして告げた。
その言葉を聞き、垣根帝督はしばらく無言だった。
「……良いだろう」
そして彼は私の肩から足をどけ、そのまま頭を狙ってピタリと止め。
「俺は一般人にゃ手を出さないが、自分の敵には容赦をしないって言ったはずだぜ。
それを理解した上で、まだ協力を拒むって判断をしたのなら、それはもう仕方がねえ」
「だからここでお別れだ」
ブォ! っと風圧に私は思わず涙を溜めた目を瞑った。
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