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2011/05/03(火) 10:17:56.97 ID:X4a4zsMV0
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私は勢いよく飛び起きた。
「……今のは、夢?」
気付くと自分の体には汗が溢れて、目にも涙が溜まっている。
あの時のことはもう昔のことなのに。
たまにだが、夢に見ることがある。
今までで一番怖かったことであり、一番怖い夢。
「もう……終わったことです」
あの後、私の頭は踏み潰されることはなかった。
あの人が足を踏み下ろす直前に学園都市第一位の一方通行が現れたからだ。
そして私が聞いた限りでは。
”学園都市第一位の一方通行は、学園都市第二位の垣根帝督を殺した。”
ということだけ。
あの人が第二位というのも驚いたけれど、第一位に助けられたのも驚いた。
そしてそれ以前に、助かったことにほっとした。
もう今では右肩の怪我も治り、あの悪夢も見ることがなくなったっていうのに。
なんで今日見てしまったのだろう。
「……とりあえず、シャワーでも浴びますかね」
時計を見ると朝の5時過ぎ。
今日は学校があるとはいえ、早く起きすぎてしまった。
この気持ち悪い汗も落とすために私は二段ベッドの上からゆっくり下りた。
静まり、冷え切っている部屋。
この部屋もまた私一人になってしまった。
この部屋に一緒に住んでいた春上さんは、中のいい友達が通う中学校へと転校してしまった。
少し寂しかったけれど、今は春上さんが楽しくやってるようでよかったと思う。
気分を入れ替え私は浴室へと向う。
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