過去ログ - まどか「仮面ライダー?」翔太郎「魔法少女?」映司「魔女?」 その2
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787: ◆WDUU7xtdEo[saga]
2012/05/19(土) 15:03:33.06 ID:u/LWjSUjo

「くっ……ふっ……!」

ビルの隙間を縫うように、ほむらは駆け抜ける。

両手にはさやかとまどかの身体。魔法少女の力で強化されてるとはいえ、その重みが全くない訳ではない。

貴重な時間停止を何度か使用した事で距離は稼げたが、まだ脅威は去っていない。

現に、ビルに反響して聞こえてくるサイレンに混じるヤミーの咆吼が、彼等の戦いが継続している事を
如実に示している。

(そう、だから私は……)

諦めない、それはほんの一週間前の自分からは想像も出来ないような意味合いを持つ言葉だった。

(美樹さやか……)

左腕の中で気絶したままの彼女を見て思う。

これまで、諦めないという言葉は全てまどかに対してだけ向けられていた言葉だった。

あらゆるものを犠牲にして、あらゆる裏切りを働き、あらゆる手段をとった、そんな自分が、
今はまどかだけじゃなく、彼女も助けようとしている。

本当にひどい心変わりだと思う。


しかし、それも全て彼のせい。フィリップ――園咲来人という少年のせいなのだ。


誰も気づかなかった、誰も気づこうとしなかった暗闇の中に、彼だけが踏み込んできた。

硬く閉ざしてたはずの心は、いとも簡単に崩されてしまった。

遠い昔、病院の待合室で見ていたテレビの向こうにいたヒーローとヒロインに抱いた感情を、
ほむらはフィリップに重ねていた。

今、ほむらの中でフィリップという少年の存在は大きな部分を占めていた。

「まったく……ひどい話ね」

走りながら自嘲する、ほむら。



そして――ほむらの背は3つの爪に切り裂かれた。


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