過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.10
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◆5yGS6snSLSFg
[sage saga]
2011/05/06(金) 05:03:56.88 ID:Y/8W3eaUo
――――――――――
「喜べブリジット! 衣装ができたぞ!」
「ほんと?」
ちなみに、ブリジットのリアクションが薄いのは気のせいだ。もともとこういう喋り方なんだよこの子は。
今、この子は心の底から喜んでくれている。
その証拠――というわけではないがブリジットの目は爛々と輝いている。
「ああ、ほんとだとも! わざわざ作ってきたんだ。麻奈実にも手伝ってもらってな。いつかお礼言っとけよ?」
「うん。ありがとうお兄ちゃん」
がさがさと紙袋から衣装を取り出し、それをばっと広げるブリジット。
その瞳には期待が満ち満ちている。
「すごーい。アルちゃん………だ?」
先ほどの期待に満ちた表情から一転。小首をかしげ、こちらに向き直るブリジット。
「おまえにはあんな露出の多い衣装はまだ早い。今はそれで我慢しなさい」
ブリジットが手にしているのはアルちゃんの衣装・全年齢バージョン。
露出控えめ、スカート丈長めの過保護な兄貴仕様となっている。露出を減らした都合上、細部の意匠も本家のものとは若干異なっている。
「あ、あ……」
ふっ。感動のあまり、ありがとうの言葉も出ないか。
「アルちゃんの衣装と違うー」
「ブ、ブリジット!?」
俺の静止も聞かず、ブリジットは衣装を抱きかかえそのまま自室へと走り去っていってしまった。
……冷静に考えてみれば、「俺にまかせとけ」と大見得を切ったにも関わらず、出来上がったのは、確かに似てはいるがアルちゃんのそれとは若干異なる衣装。
ブリジットにしてみれば期待が大きかった分ショックもそれ相応だろう。
「ちょっと悪い事しちゃったかな」
ブリジットの気持ちが落ち着いたころに謝りに行かないとな。
――――――――――
「ごちそうさま」
夕食を食べ終え、リビングを後にしてブリジットの部屋へと向かう。
当のブリジットはと言うと、あっという間に夕食を食べ終えるとさっさと自室に戻っていってしまった。
「こりゃあ、相当怒ってるな」
なんと言って謝ったものかと思案しているうちにブリジットの部屋の前に辿り着いてしまった。
「ん?」
ブリジットの部屋のドアはきちんと閉じられておらず隙間が空いており、そこから部屋の中を覗いてみるとブリジットの姿が見て取れた。
普段ならこんな真似はしないのだが、ブリジットにかける言葉も思い浮かばない今、俺は藁にもすがる思いでブリジットの様子をうかがった。
「こ、これは!?」
そこには俺が渡した衣装に着替え、何やら謎の剣を持ち、姿見の前で踊るブリジットの姿があった。
その横顔からは不機嫌さなど全く感じられない。それどころか笑顔すら浮かべている。
多少懇意的に解釈するならば、夕食をあっというまに食べ終えたのも早く着替えたかったからだろうか。
あの衣装を渡した時は確かに不評だったはずなのだが、一体なにがあったのか。妹の心は複雑で兄貴の俺でもわからない。
ともあれ、ブリジットの機嫌が直ったのはいいことだ。
俺はホッと胸をなでおろし自室に戻ろうとするが、ふと思いとどまり再びブリジットの部屋をこっそりのぞく。
こう書くとまるで変態のそれだが俺の場合はいいんだ。なんせ兄貴だからな。
「こ、これが萌えというやつか。…………ハァハァ」
俺の人生初の“萌え”を妹に捧げることなるとは思わなかったよ。
おわり
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