過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.10
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585: ◆y8MRojr2/6[sage saga]
2011/05/27(金) 22:43:36.81 ID:2Jys0UNn0
『そもそも私とお兄さんは恋人同士でもないのに』。
そうだよなぁ…よくよく考えてみりゃ、彼氏でもない男から求婚されるなんて、女の子にとっちゃあ迷惑極まりないよなぁ…。
じゃ、じゃあ、俺の今までの決死のアプローチは、あやせにとっては『タチの悪い冗談』だったってこと!?
俺の青春は何だったんだよ!?まずい、なんか心が泣けてきた!!

よし、もう帰ろう…。このままここにいたらホントに涙が出ちまいそうだ……。


「よ、よくわかったよあやせ…。今まで悪かった。も、もう、馴れ馴れしく話しかけたりしないから許してくれよ…。じゃあな………」
「あっ!ちょっとお兄さん!」

俺は失意のあまり肩を落としながら、あやせに背を向けてフラフラと歩き出した。
これでいいんだ、これで。本人が嫌がってるのにアプローチ続けてたって意味ねえよ。
さてと、帰ってエロゲの妹にでも慰めてもらって……「お、お兄さんの意気地なし!」………!?

突然後ろから聞こえてきた叫び声に驚いて振り向くと、あやせがこっちを睨みつけながらズカズカと近付いてくるところだった。
今度は何言われんだよ?とにかく、これ以上の暴言はやめてくれあやせ!俺のライフはもう0だ!


「お兄さんは、私のことをそんなに簡単に諦めるんですか?」

…はい?

「あや…せ………?」
「あんなに普段私に対してセクハラしてくるくせに、ちょっとダメ出しされたらもう諦めるんですか!?
 そ、そんなの、ただの意気地なしじゃないですか!!」
「そんなこと言われたって、お前がさっき……」
「私がさっきお兄さんに言ったことをもう一回考えてみてください!」

あやせがさっき俺に言ったこと…?

『物事にはちゃんと“順番”があるんですよ!
 そもそも私とお兄さんは恋人同士でもないのに、いきなり結婚なんてするわけないじゃないですか!!
 だから…今のお兄さんに、『結婚してくれ』って言われてもタチの悪い冗談にしか聞こえません!!!』

…ん?『結婚してくれ』って言われてもタチの悪い冗談にしか聞こえません、だとぉ?
も、もしかして……………


「あやせ……結婚…しようぜ?」
「だからそうじゃなくて………も、もういいです!お兄さんのバカ!!」

今度はあやせがくるっと俺に背を向けて歩き出してしまった。
なんだよ…お前が『諦めるなんて意気地なしだ』って言ったから、わざわざ言い方変えてもう一回挑戦したんだぞ?
もういいよ…人をからかいやがって………。


俺は再びローテンションで俯きながら家に帰ろうとしたが―――あやせの去り際に放った言葉が、ついに俺をハッとさせたのだった。


「お兄さんがそんなんだったら……私、他の男の人と結婚しちゃうかもしれませんよ?
 …っていうか、絶対にします!こう見えて私、意外と結婚願望強いんですからね!!」


…あ、あやせが他の男と結婚!?
この時俺の頭の中には、(何故か)赤城とあやせの結婚式に呼ばれ、二人の誓いのキスを呆然と見つめている自分の映像が浮かんでいた。
自分で想像していてアレだけど………こ、こんな未来、耐えられねえ!!


「ま、待てあやせ!行かないでくれ!俺はお前が他のヤツと結婚するなんて絶対嫌なんだ!!」
「お兄さん………ハッ!…い、いいえ!私は他の人と結婚します!お、お兄さんみたいにふざけた人のいうことなんて聞きません!」

一瞬だけ嬉しそうな顔をしたような気がしたのに、あやせはすぐにまたそっぽを向いて歩き出していく。
このままあやせたんを行かせたら、何だかもう二度と会えないような感じがして。
気が付くと俺は、あやせに向かって大声で叫んでいた。

「あやせ!お前がどんなに信じてくれなくても、俺がお前を思う気持ちは本物なんだ!お前が大好きなんだよ!!
 あやせが他のヤツの物になるなんて許せねえんだ!!!
 つまりその…あやせ、俺と―――俺と付き合ってくれ!もし付き合ってくれるなら、俺が責任持ってお前のこと一生大事にする!!!
 だから頼む!いや、お願いします!!!」
「!?」

…ヤベ。勢い余って普通に告白っぽいこと言っちまった。しかもご丁寧に頭まで下げて。
いくら人気がないとはいえ、こんな路上で超恥ずかしいじゃねえか!あそこにいるジィちゃん、なんかこっちガン見してるぞ!?
あやせ、お前も黙ってないで、早くいっつもみたいに罵倒するなりハイキック食らわせるなりしてこの空気を―――って、何でそんなに顔赤くしてんだ!?





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