過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.10
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844:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)[sage]
2011/06/08(水) 14:06:20.01 ID:gr0/tkC10
一応続きです
あの事故の後はほとんど覚えていない。うっすらと覚えているのは救急車の音とあやせの泣いている声だ。
気づいたらあたしは自分のベッドの上にいた。

「昨日のはきっと夢だったんだ・・・」
そう呟きリビングに降りていくとリビングには暗い顔をしたお母さんとお父さんがいて・・・兄貴はいなかった。
だけど昨日のは夢だったのを信じたくてお母さんに聞いてしまった。
「ねえ、兄貴は?」
聞いた瞬間にお母さんは準備してた手が止まり泣き出してしまった。そしてお父さんが近づいてきてあたしに教えてくれた。
昨日の出来事を。
兄貴は救急車で最寄の病院に緊急搬送されてすぐさま手術に入ったこと、あやせは泣きじゃくりあたしはあやせを慰めていたらしい。
手術は時間がかかったが無事に成功して一命は取り留めたらしいが重傷らしい。じつはついさっき入院の準備のため帰ってきたらしい。
「兄貴のお見舞いいくんでしょ!!あたしもつれていって」
「駄目だ。おまえは学校があるだろ。それをおろそかにすることは許さん!!」
「そうよ桐乃。学校が終わったらすぐに連れて行ってあげるから」
それでもなお食い下がろうとするとお父さんににらまれた。しかたなく学校に行くしかないらしい。・・・・・・兄貴


学校につくとあやせが暗い顔で近づいてきた。
「ねえ桐乃・・・お兄さんは大丈夫?」
「・・・・・・うん、手術は成功したって」
「よかった・・・本当によかった」
成功したのを教えるとあやせは泣き出して崩れ落ちてしまった。ほんとに兄貴の心配をしてくれていたのだろう。
あとは兄貴の回復を待つだけだ・・・あの兄貴のことだ。すぐにきっとピンピンして帰ってきてくれる。あたしもあやせも
そう信じてた。
放課後になるとあたしとあやせはすぐに病院にむかった。



病院に着くとお父さんが出迎えてくれた。兄貴の病室に案内するために待っていてくれたのだろう。無機質な病院の中を歩いていくなか
わたしはどうしようもない不安に襲われていた。それはあやせも同じなのだろう。分かりにくいが体が震えていた。
「ここだ」
お父さんがぶっきらぼうに言うと中にいれてくれた。そしてあやせとあたしはほぼ同時に泣き出してしまった。詳しくは分からないけど医療
器具に兄貴がつなげられていた。この酷い現実をみたあたしはもう我慢ができなかった。あやせとあたしは兄貴にすがるように泣いた。
何度も何度も謝りながら泣いた。
数分たったころあたし達はお医者さんに呼ばれた。検査などの結果がでたらしい。

「外傷は見た目ほどに酷くはありません。数ヶ月もしないで日常の生活には戻れるでしょう
 しかし脳へのダメージが大きいです。なんらかの記憶障害が起こるかもしれません」
お医者さんはこんなことを大体言っていた。


あやせを家に送り届けてあたしたち家族は家に戻ってきた。ご飯は帰りにコンビニのお弁当を買ってきていたが食べる気にならずそのまま2階にあがると
当たり前だが兄貴の部屋が見えたので思わず入ってしまった。いつものように無遠慮に
しかしそこにはいつもあの優しい兄の姿はなく暗いままガランとしていた。
あれだけ病院でも泣いたのにまた涙があふれてきた。あたしは兄貴を求めるようにベッドに倒れこんだ。
ベッドからは兄貴の匂いがした。あの普段頼りなくて、でも優しくて何度も助けてくれた兄貴の温もりを感じた気がした。


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