182: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/22(日) 17:32:33.75 ID:EG0ne51AO
わたしは唯先輩が住んでいるはずの部屋の前に立っていた。長い時間が過ぎたあと、意を決してチャイムを鳴らす。
ピンポーンとチャイムはわたしの緊張を嘲笑うかのように、間抜けな音をだした。
少しした後、鍵の外れる音がして、玄関がゆっくりと開く。そのときのわたしの緊張は9回裏0-2二死満塁で打席に立つバッターの何倍もあったはずだ。
183: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/22(日) 17:33:16.34 ID:EG0ne51AO
唯先輩が顔を出すなり、変なことを言うのでわたしは拍子抜けしてしまった。だから、普段のわたしならそんなこと絶対しないのだけど、唯先輩に抱きついていた。
梓「唯先輩、会いたかったです」ギュッ
184: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/22(日) 17:33:58.10 ID:EG0ne51AO
梓「あっ、す、す、すいませんっ//」バッ
唯「もっと抱きついていいんだよ?さっきはちょっと驚いちゃったけどね」
梓「あ、あれはなんというか…//」
185: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/22(日) 17:34:32.98 ID:EG0ne51AO
唯先輩の部屋は意外にもきれいにしてあって、これじゃわたしの部屋の方が汚いかもと思ったけど、口にはださない。
唯「テキトーなとこに座っちゃってー」
186: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/22(日) 17:35:00.92 ID:EG0ne51AO
唯「あずにゃんは相変わらずで安心したよっ!」
梓「そうですか。唯先輩は少し大人っぽくなりました?」
187: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/22(日) 17:35:44.88 ID:EG0ne51AO
唯「あずにゃんはあれだね……うん、わたしはあずにゃんの好きだよ?」
梓「う、うるさいですっ!」
唯「ほれほれ〜」
188: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/22(日) 17:36:10.48 ID:EG0ne51AO
唯「ほんとに猫だったの?」
梓「えっ?そんなわけないじゃないですか」
189: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/22(日) 17:40:21.95 ID:EG0ne51AO
梓「唯先輩今日はわたし、言いたいことがあってきたんですよ」
唯「ほんとっ?偶然だねあずにゃん!わたしも伝えたいことがあったんだ!」
190: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/22(日) 17:41:17.65 ID:EG0ne51AO
梓「優しい先輩は後輩に先に言わせてくれるんじゃないですか?」
わたしは少し時間ができたことをありがたく思いつつも、唯先輩を茶化してみた。 わたしはこの期に及んでまだためらっていたのだ。
191: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/22(日) 17:41:48.54 ID:EG0ne51AO
唯「いや〜照れますなぁーでも、あずにゃん前に言ったこと覚えてる?」
梓「前に言ったこと?」
唯「そう!あずにゃんから抱きついてきたら、わたしの言うこと聞いてくれるんだよね?」
192: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/22(日) 17:42:21.61 ID:EG0ne51AO
だけど、唯先輩は何かを言い出すわけでもなく、わたしたちの間に沈黙が流れる。それは、心地よい沈黙だった。永遠にというわけじゃないけど、3時間も余裕に過ごせるだろうなと思った。そして、唯先輩は言った。
唯「………あずにゃん大好きだよ」
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