81: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/08(日) 00:57:15.63 ID:e9p4i0bAO
〜 昨日! 〜
82: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/08(日) 01:03:00.36 ID:e9p4i0bAO
わたしは予約したビジネスホテルに向かう間、 ずっと憂と純に言われたことと唯先輩のことを考えていた。
そのせいで注意力が散漫になっていたのかもしれない。だから、自分の背後に男がいるのに気づかなかった。
男の存在に気づいたのは、お尻のあたりに触られてからだった。
痴漢だ。そう思って振り向くと、男は来た道に向かって走り出している。触られたあたりに手をふれてみて、男の目的にはじめて気づく。――財布を盗られた。
83: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/08(日) 01:03:43.42 ID:e9p4i0bAO
わたしは男を追って駆け出していた。男は広い道にでると、路肩にとめてある白のセダンに乗りこむ。
わたしはせめてナンバーを覚えようと車の方に目をやるが、そこでタクシーが通ったので、タクシーをとめる。
梓「すいません。前の車を追ってください」
84: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/08(日) 01:04:13.62 ID:e9p4i0bAO
梓「すいません。変なことお願いしちゃって…」
運転手「いいんですよ。私、一度はこういうことしてみたかったんですよ」
85: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/08(日) 01:04:42.03 ID:e9p4i0bAO
正直いって、これからどうするのかまったく考えていなかった。ただ財布はなんとしてでも取り返さなければいけない。
わたしがあれこれ策を考えているうちに前の車がとまる。
と、そこであることにわたしは気づく。運転手も同じことに気づいたのか、苦笑いを向けてくる。
86: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/08(日) 01:05:09.90 ID:e9p4i0bAO
運転手「代金払えませんよね?」
梓「そ、そうですよね。ここで待っててくれませんか?取り返したら…」
87: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/08(日) 01:05:35.36 ID:e9p4i0bAO
わたしは運転手に礼を告げ、タクシーを降りる。
タクシーを降りるとき、受け売りなんですけどね、と運転手が言うのが聞こえた。
男は歩いていたので、そう遠くにはいっていなかった。
わたしは男との距離をつめる。そこで、男が振り向き私を見た。すぐに自分が盗んだ相手と気づいたのか、走って逃げ出す。 わたしも走って追いかける。しかし、さすがに距離は離れていく。
88: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/08(日) 01:06:03.64 ID:e9p4i0bAO
すると、男が角を曲がろうとしたとき何かにぶつかるのが見えた。男と男とぶつかった相手はその場に倒れた。すぐに男は慌てて立ち上がり、その場を後にする。
今度はわたしは男を追わなかった。ぶつかった拍子に財布が落ちたのが見えたからだ。わたしが財布に近づき、拾おうとすると声を掛けられた。
89: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/08(日) 01:06:36.99 ID:e9p4i0bAO
梓「和先輩?」
和「その財布は?」
和先輩はわたしが手に持った財布に指を向ける。わたしは誤解されないようにいままでのいきさつを話す。
90: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/08(日) 01:07:31.49 ID:e9p4i0bAO
和「よかったら送っていこうかしら?いろいろ不安だと思うし」
梓「お願いします」
91: ◆Mu88Rugpw6[sage]
2011/05/08(日) 01:08:15.80 ID:e9p4i0bAO
〜 三年前 夏!〜
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