2:にゃんこ
2011/05/08(日) 03:06:57.04 ID:cflo9fRe0
「りっちゃんが着たがってたあの高校の制服、お友達から借りられる事になったのー」
ほんの少しの楽器の練習の後、お茶の準備をしながら、いつもと変わらないほんわかとした柔らかい表情でムギが微笑んだ。
「えっ? マジで? ホントに?」
少し大袈裟に私はムギに尋ねてみる。
勿論、疑ってるわけじゃない。
三日前に何となく「あの高校の制服、着てみたいよなー」と雑談のついでに出した話題を、しっかりとムギが覚えていた事に少し驚いたからだ。
その私の驚きを分かっているのかどうなのか、それでもムギはいつもの優しい笑顔で続けてくれた。
「うん。中学の頃のお友達があの高校に通ってて、休日でよければ貸してくれるんだって」
中学の友達から借りられるとか、流石は相変わらずのムギの人脈の広さには驚いてしまう。
あの高校はかなりの進学校で、私なんかじゃ背伸びしても足下にも及ばない偏差値の進学校だ。
しかも、ついでに言うと県外だ。
それなのに、そんな進学校に通う友達が居るとか、どんな人脈だよ……。
「ムギちゃん、すごーい」
そう無邪気に感心した声を上げたのは唯だった。
もっとも、唯の場合はムギの人脈の広さに驚いているのか、何でも出来るムギ自体に驚いているのか、どちらなのかは微妙なところだけど。
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