522:すけこ☆マギカ[sage saga]
2011/06/11(土) 20:58:21.40 ID:u4cCzlAjo
────ガクン
仁美「!」
エリィ「っ……う……うううっ」
仁美「エリィ……さ……」
片手一本で、手すりのふちに掴まるエリィ。
その足先から、数メートル離れた位置に浮かぶ、逆さまの人形。その腕の先の志筑仁美。
エリィの垂れ下がった方の手指が、いくつも血の珠を浮かべた。
すっと宙を一直線に流れて(おそらく見えぬ糸で繋がっているのだ)、人形の胴を伝い、掴まれている仁美の手にも赤いしずくが届く。
仁美「──エリィさん!」
エリィ「エ……エリィ、どうしてこんな事してるかな。外になんか、出たくないのに……」
*『ブウゥゥー────ン!!』
仁美「(ま、また景色が……使い魔が……)エリィさん、わたくしを離して! このくらいの高さなら……」
土の地面は消失し、ジャムの匂いをただよわせる赤い溶岩に満ちた、噴火口と化していた。
ボコボコと大きく泡を立て、煮えたぎっている。
けれども、そんなものはまやかしの、偽物のはずだ。
仁美「エリィさん!」
エリィ「ダメだよ。エリィには判る。この幻は人を喰う。魔女だったエリィには判る!」
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