533:すけこ☆マギカ[sage saga]
2011/06/12(日) 21:25:01.77 ID:4+zNqaE+o
仁美「はああああああっ!」
最後のキックは、拳を固めて。
『ALBERTINEを探せ!』と書かれた天蓋へ、正拳を繰り出す──!
途端、『ALBERTINEを探せ!』は飛び上がった。
正確には、書かれた文字が震えて揺らいだ。
これこそ魔女ALBERTINEの正体。
壁中のラクガキが動き出しても、不動のままでいた魔女が、今ようやく形を崩し、少女のシルエットを形作る。
割れた天蓋からアタフタ逃げだそうとする魔女を追撃……
しようとして、だが、できなかった。
仁美「(足場が……ない!)」
宙にあるのは、小さな破片と塵芥。
生身の肉体には、もはや為す術がない。
自由落下を始める。
再び、喉へと胃液が迫り上がってきた。志筑仁美は意識を失った。
最後に認識したのは、眼下にて、まばゆい光が落ちゆくすべてを呑み込む光景だった。
杏子「にくかい?」
杏子「……って、今のは文字じゃわかりにくかったな。
オイ、まだ肉塊だらけだよ。目に毒だァ。中途半端じゃねーの」
底。
腐汁の染みる肉が、すり鉢状に積まれている。
まるで落ちてきた彼女達を、避けたように。
さらりと乾いた床に、佐倉杏子とエリィはうつぶせに横たわっていた。
843Res/753.17 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。