756:すけこ☆マギカ[sage saga]
2011/06/30(木) 21:55:03.91 ID:tqKZE5pmo
すでに時刻は明朝のはずだった──
曇天を通り越し、暗黒。
夜更けに観測された積乱雲は、信じられない速度で量を増して、空を覆い尽くした。
雨が降り出す。あっという間にどしゃ降りに変わる。夜闇の余韻を残し続ける街を、雨滴が叩いて打ち鳴らす。
朝を鎮圧し、ワルプルギスの夜が姿を現した。
巴マミ。
佐倉杏子。
上条恭子。
魔法少女、河岸に集う。
川は水量を増しつつあった。濁り、まったく底が見えない。
『来たよ』
キュゥべえからの通信と、ほぼ同時。
ふ、と雨が止む。
境界線を越えた、と誰もが感じた。風も和らぎ、奇妙な静けさが広がった。
瘴気が足下に這い寄る。それはじんわりと生ぬるく、微かに光を放ち、今や周囲はほの明るくすらある。
それは水面から出てきた。
タコだった。蛍光グリーンのタコが、一匹。
川を泳ぎ、堤防を登って……潰れて体液をまき散らした。
タコを踏みつぶしたのはカエル。青い肌に、びっしりとレモンイエローのイボ。
まだ幼生の尾が残っていながら、その大きさは牛のようだった。濁った眼球の中で、無数の回虫がくるくる蠢いている。
更に巨大なヤドカリが、電飾付きの殻を光らせて通過する。
極彩色の水棲生物の行進。
笑声。
嬌声。
淫声。
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