758:すけこ☆マギカ[sage saga]
2011/06/30(木) 21:58:33.25 ID:tqKZE5pmo
「きょ……う……ッ」
傷口を押さえながら、さやかが倒れる。
杏子のこめかみが軋んだ。血が沸騰する。四肢の温度がわからなくなる。
「うああああああああーっ!」
殴りかかった。
無様に蹴り倒される。低い姿勢のまま再び飛びついた。
振り払われまいと必死に食いつきながら、魔法で作り出したナイフを振りかざす。
太腿。拳銃の収まったレッグホルスター。その飾り。プラチナの飾り。ソウルジェム。
「杏子さん、僕を殺すの?」
プラチナのソウルジェムを砕いた。
視界が滲む。
ソウルジェムを砕くという事は、魔法少女を殺すという事。
それを教えてくれたのは、他ならぬ、この少女だった。複雑な感情に咽せる。
「!!」
「……だけど残念! ダミーなんだ!」
そんな感慨ごと、杏子は踏みにじられた。
「ティロ・フィナーレ!」
追撃せんとする上条恭子の横っ面を、巴マミが撃つ。
ティロ・フィナーレの鋭い一撃は、並大抵の防御魔法では防げない。着物を大きくはだけさせながら、恭子が吹っ飛んだ。
マミは考える。この乱心の理由。空を漂う、あの大きな災厄の影響。魅入られた可能性。変幻の祈り、幻惑の願い。
魔法には、そうやって感情や神経を支配する系統もあるのだ。
逃避ではない。マミは仲間を信じたかった。自分に優しくしてくれた少女を、失いたくなかった。
「痛い……マミさん……」
「恭ちゃん、正気に」
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