760:すけこ☆マギカ[sage saga]
2011/06/30(木) 22:02:41.07 ID:tqKZE5pmo
「お豆腐の弾丸は撃ち抜けない」
「誰が豆腐よ」
マミは言う。
精一杯の、憎まれ口。涙混じりで全く迫力がない事は、本人が誰より自覚していた。
「でも、そんな脆いマミさんが好きです」
唇を噛みしめるマミの横で、杏子はもがく。悪態をつきながら、戒めを脱しようとしている。
その様子を見て、恭子が軽く言う。
「頑張れー、杏子さん、頑張れー。君はやればできる子だよー」
「テメ……ッッ、コラァ! さやかをどうするつもりだッ!」
「川に捨てようか」
「ふざけんな!」
ふざけてないよ。笑顔を消して、上条恭子は言った。
「僕が、さやかに、どんな感情を持っていると思った?」
「さやかはオマエが好きなんだぞ!」
「迷惑だよ! 逃げ場なく押しつけられる感情が、僕らをどれほど歪めるか!」
そう言った恭子の顔が歪んだ。
頬が破って口中に飛び込んだ何かが、破裂していた。硬直した腕がさやかを離し、共に地面に倒れる。
「歪み? いいや、有るべき型だよ。美樹さやかの正義には、それなりの価値があった。
それは感情論以上の正しさを持たなくても、糞塊と塵芥以上のなにかを持たない僕たちには充分、奪う価値があった」
現れたのも、上条恭子だった。こちらは騎士然としたマントにブーツ。エナメルのビスチェに、下はホットパンツ。
手には銃剣。これで着流しの恭子を、撃ったのだろう。
「別に僕は、さやかを好きだってわけじゃないんだけどね」
「ツンデレか」
佐倉杏子は場にそぐわないツッコミをした。
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