過去ログ - さやか「きょうこ、きょーこ」
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794:すけこ☆マギカ[sage saga]
2011/08/14(日) 21:06:50.79 ID:bk19XHJXo
 ダガラ゙ゴノ゙オ゙ン゙ナ゙バイ゙ラ゙ナ゙イ゙ヨ゙ネ゙。
 だから、この女は要らないよね────
 そうも言った。
 脳を揺さぶられる声だった。杏子は絶句する。頭が真っ白になる。

 影はおもむろに立ち上がって、杏子から離れた。
 とろりとした動き。
 地べたに叩きつけられたさやかもまた、意識を取り戻していた。顔を蒼白にして、迫る影から後ずさる。
 震えながら呼ぶ名は、やはり杏子のものではなかった。
 それでも杏子は助けようとした。助けたかった。

(いつでも、アタシが助けたいだけなんだ)

 こんなコトを、何度も繰り返してきた気がする。
 そして、何度も繰り返す気がする。これからも。

 どこで?
 どこでもいい。
 追い続けている。
 真実の愛と勇気の。
 けど、いつになったら届くんだ?

 心が揺れている。絶望に引き寄せられては、幻惑の魔法が押し返す。
 そして杏子は、この数秒の空白を後悔する。

「……ょうこ、助けて! 嫌ーっ!」
「さやかさん……っ」
「マミさぁーんッッ!」

 同じ顔の少女に捕らえられ、さやかが河へと引きずり込まれた。
 槍の切っ先が届く距離で。なのに。

(「残念ながら、期待に添えそうにない」)

 って、もう言ったよね。誰かが言う。恭子だ。地面に白薔薇のつぼみだけが、ぽつんと生えて。


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