過去ログ - フレンダ「結局、全部幻想だった、って訳よ」
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[saga]
2011/05/26(木) 00:41:05.55 ID:CX6HgCKTo
丁度、まさにその瞬間を見計らったかのように。
ピリリリリリ、となんの捻りもない、デフォルト設定の携帯着信音が夕焼けの道路に鳴り響く。
フレンダは誰からの電話かとか確かめることなく携帯電話を開いて着信ボタンを押した。
フレンダ「――はーい、こちらフレンダ」
――フレンダ=セイヴェルンは上条当麻に二つだけ嘘を付いた。
一つは、彼女の両親は自分を学園都市に預けたその瞬間からある一時期を除いて行方を眩ませていること。お金なんて振り込まれるはずもない。
女性『あ、出た出た。全くもう、さっさと出なさいよねー』
電話の声で彼女であることを確認して、フレンダはなんてことのない口調で言う。
フレンダ「ねーねー麦野。結局、今日は中々に充実した一日だったよ」
麦野『……はぁ?何いってんのアンタ』
電話の相手――学園都市能力者序列第四位の麦野沈利は彼女の言葉を一蹴する。
そちらの事情などどうでもいいとでも言うように。
麦野『んなことより、仕事よ仕事。打ち合わせ場所は六学区の地下室。もうアンタ以外全員揃ってんだから早く来なさい』
フレンダ「んー、わかった。それじゃあ今から向かうって訳よ」
――そして、もう一つは。
彼女のしているバイト――『お仕事』は、灰色どころか真っ黒に染まっているということだった。
フレンダ=セイヴェルンは。
学園都市暗部組織『アイテム』で上に命令されるがままに働いでいる。
それこそ、泥の底を掬うような汚い仕事まで。
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