過去ログ - フレンダ「結局、全部幻想だった、って訳よ」
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70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/05/29(日) 17:47:42.15 ID:zkGAG4J7o
少年「だって、おかしいよ」

少年「フレンダはただ普通に転入してきて、普通に過ごしたいだけなのに、ただ他の外国人が事件を起こしただけでフレンダを虐めるなんて」

少年「それで『殺人民族』なんていう男子はおかしいし、そのおかしな事に気づかないでフレンダを助けようとしない他の人達もおかしい」

少年「そもそももし仮にフレンダが悪いことをしたとしても、関係の無い他の人たちがフレンダを攻めること自体もおかしいのに」

少年「……悪いことをした人に対して怒っていいのは、その悪いことに関係した人たちだけだと思う」

 少年はフレンダをじっと見つめて、そう言う。
 フレンダは眼を見開いて、彼のその眼を見た。
 少年の瞳は真っ直ぐだった。周りが間違ったことを正しいと言っても、間違ったことを間違ったと言える、芯のある眼だった。
 だとしても。少年一人がそう唱えても、世界は何もかわらない。
 寧ろ悪化するだけかもしれない。なにせ、きっと味方をしたその少年すらも巻き込まれてしまうのだから。

フレンダ「……けっきょく、だめなわけよ。今更だし、もし言っても絶対に――」

少年「――それでも」

 フレンダの諦めの言葉すらも遮って、彼は告げる。

少年「それでも、何とかする。フレンダはもうぼろぼろだから。僕が、フレンダを守るから」

 無理だ、と少女は子供心ながらに思った。
 理由ならいくらでも用意できる。
 子供にとって数は絶対だ。喧嘩をしても勝ち目などあるわけもない。
 喧嘩を抜きにしても。小の声など、大の声に簡単に打ち消されてしまう。

 それでも。
 なんとかなるような気がした。
 この少年なら、なんとかしてしまうのではないか、と。そんな気が。

 だからフレンダは、その心にしたがって彼を頼ることにしたのだった。


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