過去ログ - フレンダ「結局、全部幻想だった、って訳よ」
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883:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/11/24(土) 00:46:53.14 ID:YYBvUpafo
フレンダ「……結局、当麻も座ったら? 心配しなくても、逃げたりはしないってわけよ」

 公園の中心よりは程遠い、恐らくは無邪気にはしゃぐ子供を見守る用に作られたであろうベンチ。
 しかし公園内に子供は無く、外周を僅かに登下校中の生徒が歩くのみだった。
 そのベンチに彼女は座り、そして上条にも座るように促す。
 別に上条は逃げたりはする心配はしていないが、心なしか躊躇ってしまった。

 きっと、少年は本能で感じ取ったのだ。 ここに座ったならそれは交渉の席についたのと同義。 後には引けない、と。
 深く深呼吸をして、心を落ち着かせ、そして改めて、上条は座る。

 誰も居ない公園に、ベンチに座る男女が一組。
 ただ漠然と彼らの姿を捉えたなら、きっと誰もがカップルだと疑わない。
 だがその間に流れる空気は、それには似ても似つかない、遠くかけ離れたものだった。

 無言、沈黙、静寂。
 時たま吹く上着の恋しくなる風が、外気に露出した頬や手を撫でる。

 ほう、とフレンダは息を吐く。
 その吐息は思った以上にというよりは全く白くならず、ただ虚空に消える。

 元来、上条当麻はそれほど我慢強いわけではない。
 人の問題に首を突っ込む時には殊更、だ。
 故に。

上条「……フレンダ、幾つか聞きたいことがあるんだけど良いよな?」

 口火を切ったのは当然の如く、少年の方であった。


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