過去ログ - フレンダ「結局、全部幻想だった、って訳よ」
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917:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/15(土) 02:45:54.17 ID:D/DneEsuo
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 上条当麻は気がついたら自分の寮部屋の前に立っていた。
 どうやってここまで来たのか、など全く覚えていない。
 それ程までに、上条にはショックだったのだ。

上条(俺が……前の上条当麻が、助けられなかった、なんて)

 自分は、上条当麻ならきっとこうする、と考えて行動してきた。
 最近は彼の行動が上条当麻になりつつあるのだが、それでも芯は変わらず、上条当麻なのだ。
 少女も、それを認めてくれた。 他でもない彼女が、自分を上条当麻そのものだと。

 だから、だからこそ。 だからこそ、彼は折れてしまった。
 追っていた背中である、以前の上条当麻。 それが救えなかったということは即ち、自分にも救えないということ。
 普段の彼なら、『それがどうした』と。 そう叫んで手を差し伸べたのかもしれない。
 だが今回は別だ。 『元の上条当麻だったらこうした』という自分なりの予測の元、心の内で叫ぶ声を無視してフレンダに問い詰めたのだ。
 それを理由にしたが故に、彼にはこれ以上どうすることもできなかった。
 勿論、先人が救えなかったという事実を聞いてショックだったというのも大きいが。

上条(正直、今は誰にも会いたくないけど……)

 今日はもう心身共にボロボロだ。 今から宿を探すと言っても時間がないし、金もない。
 加え、インデックスには今日の食事の件も伝えなきゃいけない。
 短く溜息を吐いて、上条はふらふらとした足取りで鍵を開けて家に入る。

上条「ただいまインデックス……インデックス?」

 返事がない。
 出かけていることも多々あるが、この時間は大抵家にいるはずだ。
 そしていつもならおかえりーと元気な声が返ってくるのだが、それがなかった。

上条(まさか)

 と、最悪の考えが過ぎる。
 よもやインデックスはその脳に保管してある十万三千冊の魔導書を狙う輩に攫われてしまったのではないか、と。
 戦慄が走り、上条は先程までの思いも忘れて靴も投げ捨ててインデックスの名を叫びながら部屋に入る。


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