過去ログ - フレンダ「結局、全部幻想だった、って訳よ」
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[saga]
2012/12/15(土) 04:11:07.96 ID:D/DneEsuo
『四月九日 第七学区、喧嘩通り』
たったそれだけの短い文字。 特に意味の見られない日付と場所の羅列。
それは一つだけではなく頁一杯に書き尽くされており、そのいづれも似たようなものだった。
上条当麻は、ここでこれを閉じることも出来た。 この意味の分からない文字を見つめることになんの意味もないと、切り捨てる事もできた。
しかし、彼はそれをせず、ただその書かれた文章とも言えないそれを視線で追う。
彼はここに何かが眠っていると、そう直感した。
『四月十三日 第七学区、商店街裏道』
『四月十八日 第三学区、廃ビル(電磁研究施設)』
『四月十九日 第七学区、東地区の路地裏』
日付は毎日ばらばらで、一行一行にそれが書かれていた。
それになんの意味があるのか分からず、上条はただ頁を捲る。
四月を抜け、五月も過ぎ、六月すら素通りする。
次に手を止めたのは、七月。
七月、十九日。
『七月十九日 第七学区、幌南高校付近の裏通り。
あれから三ヶ月と少し、未だフレンダの尻尾さえ掴めない。
俺の探し方が悪いのか、それとも暗部とやらが隠蔽工作をしているのか。
どちらかはわからないけど、諦めるわけにはいかない。
あの日、俺はフレンダの手を掴めなかった。
フレンダは、きっと俺を巻き込むまいと、わざとああ言う言葉回しをしていた。
あの時のフレンダは、嬉しかっただろう。 安堵しただろう。 上手く行ったと、ほくそ笑んだだろう。
けれど、きっとそれ以上に、悲しかっただろう。
俺はあの時、気が付かなかった。 フレンダの救難信号に気付くことができなかった。
気付けず、そして突き放してしまった。 俺は地獄にはついていけない、お前一人で勝手に行け、と。
馬鹿だ。
フレンダの真意に、俺がフレンダを好きだったことに、突き放してから気がついてしまった。
俺は、本当に馬鹿だ。 本当に、馬鹿なことをした。
……だからこそ、諦めるわけにはいかない』
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