過去ログ - フレンダ「結局、全部幻想だった、って訳よ」
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928:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/15(土) 22:07:07.45 ID:D/DneEsuo
 上条の息が詰まる。
 何を思う間もなく、上条は次の文章に目を落とす。

『俺はフレンダの幻想を殺した。
 だからと言って、諦めなければならないわけじゃない。
 壊れたなら作ればいい。
 今度こそ壊れない幻想を、本物を。
 俺たちなら、きっと、ここだろうが、例え地獄だろうが、見つけ出すことが出来るはずだから。

 ……明日から夏休みだ。 絶対に、見つけ出してみせる。
 ここに探した場所を書くのは今日で最後にする。
 新しいノートも買っておこう。 フレンダと会えたら、今度は俺から渡そう。
 この交換日記みたいに今までのことじゃなくて、今度はこれからのことを一緒に書いていこう、って。』

 『交換日記』はここで終わっていた。
 上条は知る。 『上条当麻』は諦めたわけじゃない、と。
 一度目は救えなかったけれど。 二度目に向けて立ち上がっていたのだと。

 それを自分は、馬鹿だ。
 昔の自分が救えなかったという事実だけで怯んで、ショックを受けて、落ち込んで。
 自分の、上条当麻の本質を忘れていた。

 『不屈』。

 何があっても、何がおこっても、誰が相手でも、何が相手でも、自分が正しいと思ったことに決して、絶対に諦めない。
 それこそが上条当麻の芯に他ならない。

 パタン、とノートを閉じる。
 その拳を握りしめて、ゆっくりと立ち上がり。
 そして、言う。

上条「……いいぜ、フレンダ。 お前が、自分は光に返ることなんて叶わない、俺と一緒に居た過去が、未来が幻想だったっていうんなら……」

上条「まずは、その幻想をぶち殺す……!」

 ゆらり、と。
 過去と現在、今一つになった上条当麻は不屈の意志を胸に秘めて。
 静かに、その闘志を燃え上がらせる。



 ――――時は、十月五日。
 学園都市の独立記念日である十月九日まであと四日に迫った日の出来事だった。


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