13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/05/22(日) 19:34:55.96 ID:LrbQxZtRo
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重い眠りから覚め目を開くと、頭上には見慣れない天井があった。
「………………」
何か夢を見ていた気がする。
とても幸せな、けれど儚い夢。
夢の中で、短い人生の中で何よりも満ち足りていた事は朧げながら覚えていた。
それがどういう内容だったのかは覚えていない。
目覚めと同時に、かりそめの幸せが霧散してしまったような気がする。
けれど今現在の自分はきちんと起きているのか、それともこれはまだ夢の続きなのか。
どこか朦朧とした頭ではそれすらも判断ができなかった。
幻想と現実の境界が曖昧なまま御坂は眠い目を擦る。
そこでようやく気付いた。
「あ――――」
指に湿りを感じる。
目尻を拭うと涙の粒が指に掬い取られた。
この涙はどうして出てきたものなのだろうか。
悲しかったからか。
それとも、夢の中で何よりも幸せだったからだろうか。
箱の中に閉じ込められた夢の中身など観測できるはずもなく、結論は出なかった。
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