18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/05/22(日) 21:05:14.33 ID:LrbQxZtRo
御坂はどこか虚ろな表情のまま金髪の少女に言葉を投げる。
「分かってるのよ。頭が上手く働いてない。不自然なくらいに。これでも一応自分の事は自分が一番知ってるつもりよ。
特に神経作用の中身。生体電気の通信回線。あと脳波。仮にも最高位の電撃使いっていうくらいなんだからそれくらいの事は分かるわよ」
「やっぱり分かっちゃう?」
「そりゃあ、ね」
相変わらず微笑みを崩さぬまま彼女は肩を竦めた。
「世の中知らない方がいい事だってあるのよ? 雉も鳴かずば撃たれまい、ってね。
結局、知恵の木の実を食べなければエデンを放逐される事もない。生命の木の実だけ食べてればいいのに。
私はそれをそそのかす蛇じゃないし、アンタもそれくらいは分かるわよね? それは知恵の実じゃなくてパンドラの箱よ?」
「神話が違うわよ」
「細かい事言わないの。結局アレよ。様式美って奴」
御坂の指摘に金髪の少女はそう嘯いた。
対照的に御坂は無表情のまま僅かに目を細める。
「あと、その話を出すって事はやっぱり、私の頭の中身弄ってるわね」
その言葉に彼女もまた目を細める。
愉快そうに、ともすれば寂しげに。
「少し語弊があるわね。結局、私はアンタの思考の先をちょっとずらしてるだけ。洗脳じゃなくて思考誘導って訳よ。
もっと直接的に弄り回すならそんな発想すらできないようにもできるってのは分かってるでしょ? アンタ私よりも頭いいはずなんだから」
「そうね」
嘆息し、御坂は体を起こす。
ベッドの上に腰を下ろしたまま、御坂は金髪の少女を正面に見据え、そして。
「直接会うのはあの時以来、二度目かしら、第五位。こうして話すのは初めてだと思うけど」
「そうね。久し振りって言った方がいいかしら、第三位。センパイって呼んでもいいのよ?」
無表情のままの御坂に『心理掌握』の少女はにこりと微笑んだ。
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