過去ログ - 御坂「幸福も不幸も、いらない」
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19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/05/22(日) 22:29:04.50 ID:LrbQxZtRo
「結局、頭が良すぎるっていうのも考え物よね。要らない事にまで気付いちゃうんだから」

肩を竦める彼女を無視する。
どうせ何か言ったところで彼女は気にもしないだろう。

「やーねえ。そんな事ないわよ。傷ついちゃうなぁ」

「勝手に思考を読まないでくれる?」

「無理無理。現在進行形でアンタに能力使ってるんだもの。結局、表層意識くらいは勝手に掬い取っちゃうって訳」

「プライベートの侵害って知ってる?」

「私がいまさらそんなの気にするはずないに決まってんでしょ」

言って彼女はけらけらと笑う。その様子に苛立ちを覚える。
そういう感情すらも相手に知られていると考えるとどれだけ嫌な性格をしているのだろうと思う。

「心配しなくてもいいわよ。結局、自覚はあるから」

「心配なんかしてないわよ」

呆れたように御坂は前髪を手で掻き上げ、溜め息を吐いた。
口にしていないこちらの思考にそのまま返答されるのは激しい違和感を伴う。

精神感応系の能力者は数こそそれなりにいるものの、どれもかなりの制約を伴う。
相手が心を許していたり、特定の相手にしか通じなかったり、あるいは特定の感情や思考しか受け付けなかったり。
御坂の友人にも一人その手の能力者がいる。彼女の場合も例外ではないし、思念を呼びかけとして送らなければ通じない。

しかし彼女……『心理掌握』は違う。
最高位の精神感応能力者。ある意味では御坂と同じような、ごくありふれた能力を突き詰めた結果の超能力者。

それは文字通りの万能を意味する。
精神、記憶、認識、感情。およそ心と称される脳の司る機能全般を自在に操る能力者。
それが自分であろうと他人であろうと関係ない。彼女の場合はたとえ精神操作を行ったとしても誰にも気付かれないよう完璧に行えるという。
もはやそれは洗脳ですらない。人格破壊や再構成の域に達している。

電磁を司る超能力者の御坂だからこそ脳の生体電気を操作する事である程度操作できるが、
そうでなければごく一部の例外を除いて抵抗する事すらままならない。

「それで……いい加減に干渉するのやめてくれないかしら。頭の中身を好きにされるのってかなり気分が悪いわ」

そういう域の相手だからこそ序列では上位の御坂であろうとも多少の抵抗はできても跳ね除ける事はできない。
相手が手心を加えているという部分もある。彼女が本気でかかれば御坂であろうとも疑問すら持つ事は許されないはずだ。


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