15: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/05/20(金) 22:35:39.27 ID:l9zYPE7N0
それは――戸棚の奥に貼られた、1枚の絵。
古びた画用紙に、クレヨンで描かれている。
ぱっと見で、小学生が書いた絵のようだが――問題は内容だった。
16: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/05/20(金) 22:36:20.49 ID:l9zYPE7N0
黒子(気持ち悪い絵ですわね……)
絵から目をそむけ、戸棚の下のほうに目をやったとき――何かが置かれているのが見えた。
戸棚のガラス戸を開け、手にしたロウソクの炎を近づけて、覗き込む。
17: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/05/20(金) 22:36:55.11 ID:l9zYPE7N0
黒子「これがお守りになるとか……一応持っておきますの」
科学的にも、何らかの作用があるという根拠は無い。
ただ、無いよりマシ――そう思って、黒子はパワーストーンをポケットにしまいこんだ。
18: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/05/20(金) 22:37:48.27 ID:l9zYPE7N0
ムカデ、ゴキブリ、ハエ、蛾……
19: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/05/20(金) 22:38:26.57 ID:l9zYPE7N0
黒子「…………」
右手にロウソクを持ち、左手をポケットに突っ込み、中にあるパワーストーンをいじくりまわしていた。
何も言わず、そのまま廊下を足早に進み、1-Aの教室へと向かう。
20: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/05/20(金) 22:38:56.26 ID:l9zYPE7N0
――無駄方便。
――とても役に立たないだろうと思えるものでも、時によっては何らかの役に立つこともあるということ。
21: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/05/20(金) 22:39:27.77 ID:l9zYPE7N0
――半信半疑。
別に貼ってある、習字の文字が目に入る。
22: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/05/20(金) 22:39:57.76 ID:l9zYPE7N0
やがて、1-Aの教室にたどり着き、開け放たれたままの出入口をくぐる。
朽ちた床や天井。
23: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/05/20(金) 22:40:31.12 ID:l9zYPE7N0
あゆみ「先立つ不幸をお許しください!!天国で私たちは一緒になります!!待ってるからね!!アア!!」
引き戸の向こうから響き渡る、あゆみの奇声。
狂って脈絡の無いことを言っているだけかも知れないが――内容は、不穏だと思えるものだった。
24: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/05/20(金) 22:40:56.97 ID:l9zYPE7N0
移動した先は、6畳ほどの小部屋になっていた。
所々剥がれ落ちかけているモルタル製の壁に囲まれている。
壊れかけた窓ガラスが、部屋の奥にはめ込まれているものの――圧迫感がひしひしと感じられる。
25: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/05/20(金) 22:41:23.90 ID:l9zYPE7N0
黒子(たまらないですの……でも、今はそれどころでは……)
悪臭をこらえつつ、すかさず、部屋の奥へと目を向ける。
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