798: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2012/03/05(月) 23:13:34.71 ID:l7t1rI6p0
直美「い、いや……こないで……」
震える声で佐天の左腕の袖を掴みながら、後ろずさる。
足取りも震えるあまりに、おぼつかなくなってしまっていた。
佐天「く、来るな……来るなっつーの!!」
何とか強気な語調で言葉を放つものの、怯えの色は隠せず、威嚇には到底及ばない。
アルコールランプを手にして前に突き出した右手も、ガクガクと震えていた。
振動に伴い、炎も上下左右に揺れていた。
左側――ちょうど、黒板の左端の隣に、小さな引き戸が閉まっていた。
もっとも、この引き戸も出入口と同様に――長い髪が巻きついていて、簡単に開かせてくれそうにない。
右側――外側の窓に近い床には、椅子などの障害物は散らばっていない。
人一人分が通れる通路のようなスペースを作っていて、床も抜け落ちてはいない様子だった。
さらに、教室の後ろ側にも机とかは散らばっている感じは無く、なんとか後ろの出入口にはたどり着けそうだった。
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