823: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2012/03/25(日) 23:27:07.04 ID:1GUWnw1t0
佐天(でも……)
周囲を見回して分かった。
この床に出来た窪み――天井裏のスペースは、前後左右のどの方向にも、障壁があった。
すなわち、天井裏を潜って、中を突き進むしかない。
そして、床までの高さはおよそ1.5m強。
両手を伸ばして床を掴み、懸垂の要領で体を引き上げれば、床の上に戻ることは出来るかもしれない。
が、そこまでの体力は、今の佐天にはなかった。
ましてや、頭を打ち付けて、脳震盪を起こした影響でふらついている状態では、不可能どころか危険とも言える。
周囲に転がっている壊れた机や椅子も、踏み台になるぐらいの高さはおろか、原形すらとどめていなく、使い物にはならない。
ただ――比較的形を保っている机が目の前に立っていた。
丁度、教室の入口の前あたりで――床から這い出る踏み台になるように。
佐天「……ここしか、行けるのはないっぽいよね……」
誰に言うのでもない呟きを漏らす。
机を廊下のほうに移動させ――ようとしたが、無理だった。
まるで下に広がる1階の天井に張り付いたかのように、1mmたりとも動かない。
下から上へ、左右へ押してみたが、びくともしない。
どうやら、教室に戻るしか――道はなさそうだ。
それに、直美のことも気に掛かる。
目の前で――霊の群れに襲われて、教室に引きずり込まれたというのなら――!!
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