854: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2012/03/25(日) 23:47:17.22 ID:1GUWnw1t0
直美「これでちょっとはしのげそうね」
佐天「ええ……」
少しだけ安堵したのか、二人とも息を吐き出す。
緊張が解けて、全身から力が抜けていくのが感じられた。
が――。
目の前で、なおも開こうとする引き戸。
扉の上半分は、細い木材でいくつもの正方形の格子が形成されていた。
格子の隙間のスペースには、曇りガラスがはめ込まれている。
そのせいで、外の様子を窺い見ることは出来ない。
いや――その方が幸いだったと言ってもいい。
この扉の向こうには、なおもこの部屋に入り込もうとする赤い霊が多数。
もし、引き戸のガラスが透明だったならば。
――いくつもの目が、じっと佐天と直美を見詰めていただろう。
それを想像した途端、ぞっとするぐらいの不気味さが彼女らを襲った。
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