896: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2012/04/05(木) 23:46:41.42 ID:o1zfYVBd0
そして、壁や天井から土ぼこりが舞い上がった。
目の前が一気に霞みだす。
天井から吊り下げられた照明は辛うじて灯っていたものの、土ぼこりのおかげで光は届きにくい。
揺れが続けば――いや、天井から取れたり、天井自体崩れたりすれば――真っ暗にはなるだろう。
それ以前に――天井が崩れれば、ただではすまないのだが。
さらに言うなら、この激しい揺れで床が崩れることもあるだろう。
そうなれば、ひとたまりもないのは言うまでも無い。
そんな中、二人は。
佐天(……早く、収まってよっ!!)
両手で頭だけをかばいながら、じっと目をつぶり。
直美(……恐い……恐いよ……)
横たわったままで、激しい揺れが収まるのを、ただじっと待つしかなかった。
赤い霊の群れに追われていることなぞ、頭の中からすでに抜けきっていた。
天井や床が崩れ落ちないことをただ祈りながら、頭をかかえるだけだった――。
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