908: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2012/04/05(木) 23:53:15.38 ID:o1zfYVBd0
直美「…………」
それ以上反論できず、ただじっと扉を引っ張る佐天を見詰めていた。
その時――足で何かを踏みつけた感覚がした。
何かと思い、足をどかすと――そこには、1個の電池が落ちていた。
単3電池だった。
かがみこんで、それを拾い上げる。
佐天「とにかく、ここの縄を使えば……ってて!!」
話している途中で、扉が勢いよく開いた。
勢いのあまり、後ろへと倒れそうになる佐天。
が、なんとか踏みとどまって、直美の方を見詰めた。
直美「ちょっと……これ、何?」
目の前に広がった、個室の中の光景。
乾電池を手にしたまま、その方向を指差す。
佐天「何って……ええ!?」
怪訝に思いながらも、個室の中を覗き込む。
途端に、直美と同様――目を丸くした。
個室の中の便器を――覆うように倒れた、壁の板。
その奥には――幅1mほどの隙間が、壁にぽっかりと開いていた。
どうやら、先程の地震で壁の一部が倒れていたのだが――。
トイレの中の裸電球がわずかに照らす、その空間は――板張りの壁に囲まれた部屋のようだった。
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