過去ログ - 一方「どンなに泣き叫ンだって、それを聞いて駆けつけてくれるヒーローなンざいねェ」
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51: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/05/27(金) 21:36:20.71 ID:n10dM9VJo

赤以外の色を見つけるのが難しかった。
複数の巨大な画面が、すべて真っ赤に染め上げられている。
まるで冗談のような光景に、美琴は笑うことしかできなかった。

「は、はは」

自分でもびっくりするくらい掠れた笑い声。
他人事のようにそんな声を聞きながら、彼女は人間にこんな声が出せるものなのかと感心した。

「何これ、新手のドッキリ?」

引き攣った笑顔を浮かべながら、美琴は前髪を掻き上げた。
その前髪さえも、まるで水で濡らしたようにぐっしょりと濡れている。

「やだなあ、初春さんまでグルになってるのかしら」

彼女の目の前に映し出されている、映像。
それは、凄惨の一言に尽きた。
最初、彼女は画面中に塗りたくられた赤が何なのか、理解できなかった。
それ程までに、凄惨だったのだ。

「まったく、いつの間にこんなもの用意したのかしら」

見覚えのあるひとが、見覚えのあるひとを、虐殺している。
無感情に、冷徹に、まるで作業みたいに。
虐殺されているひとは、為す術もなくあっという間に殺された。抵抗もしなかった。

「今どきスプラッタ映画なんて流行んないっつーの」



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