10: ◆3dKAx7itpI[saga]
2011/05/21(土) 16:56:43.05 ID:F25Xy5fYo
だがこの『魔女狩りの王』だけは話が違いすぎる。その辺の素人が、その辺の魔術師でも、
ここまで容易く扱えてしまうような安い魔術ではない。
ステイルは自身以外の者が顕現させたイノケンティウスを見て、激しい違和感を覚えた。
ゴッッ!!と、鈍器を物凄い勢いで射出する音が背後から聞こえた。
さっきから一人黙々と『回収部隊』を殲滅しているヴェントの『女王艦隊』が
氷で構成された巨大な錨を発射している音だった。
ヴェントは口から大量の血を吐き出しながらイノケンティウスを操る垣根を、呆れた目で見ながら問いかける。
「アンタ、魔術師だったの? 学園都市から来た能力者だって自分で言ってたじゃない」
「・・・・・・今日付けで、能力者兼魔術師だクソったれ・・・・・・。 ゲホッ・・・・・・!!!
今みてえに・・・・・・血反吐ぶちまけながら必死で習得したんだぞ? スゲーだろ・・・・・・。
まぁ・・・・・・、このイノケンさんは今日が初めてだけどな、まぁまぁの出来だろ? "センセイ"」
そんな言葉でステイルに声をかける垣根の視線は、もうステイルの方を向いていなかった。
どこを見ているのか分からないほどに彼は焦点が定まっていない。
その目からもダラダラと血が涙のように溢れ出しており、地についている足は酒に酔ったかのように
フラフラとあちこちに移動している。
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